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特殊な処置 > 経管栄養 >
◆経管栄養法
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経管栄養とは
胃に常時、管(マーゲンチューブ)を挿入しておき、流動性の栄養物(流動食)を注入します。消化・吸収能力はあっても口から摂取することが困難、又は不可能な場合医師の指示により挿入されます。
   
1)経鼻栄養法 鼻腔から胃までチューブを挿入して、流動食を注入する方法です。
2)胃瘻栄養法 腹部から胃に瘻孔(チューブの挿入部)をつくり、チューブを留置して流動食を注入する方法です。食道にチューブを通すことができない場合に行われます。
3)空腸瘻栄養法 腹部から空腸に瘻孔(チューブの挿入部)をつくり、チューブを留置して流動食を注入する方法です。胃内への栄養補給ができない場合に行われます。
     
経管栄養に使用される流動食の条件
1) 少量で高カロリーが得られる。
2) 栄養のバランスがとれている。
3) 消化吸収がよく副作用が少ない。
4) 流動物でチューブがつまらない。
5) 調整が簡単にできる。
   
流動食の種類
1)天然栄養 天然濃厚流動食、ミキサー食
2)混合栄養 半人工濃厚流動食
3)人工栄養 各種市販の消化栄養剤
     
流動食の注入方法『経鼻栄養法』
1. 流動食は38〜40℃(人肌程度)に温めておきます。
1回量は200〜400mlが目安ですが症状によって異なります。医師の指示通りにします。
2. 流動食を注入用の容器(ボトル)に入れます。
3. 上体を高く(半座位)します。
4. 流動食の内容を説明します。
5. チューブが確実に胃に挿入されているかどうか確認します。
注射器で吸引してみると、胃液又は胃の内容物が確認されます。
注射器で空気を5ml程度注入して、聴診器で胃部の音(気泡音)を聞きます。
6. 流動食を注入します。注入速度は一般に200mlを30分程度で落とします。普通の食事時間でも、20〜30分間かかることを考えてゆっくり注入します。
7. 注入中はできれば側にいて状態の観察をします。
嘔気嘔吐、腹痛、下痢、腹部膨満感、呼吸状態の変化などがみられたら中止します。
8. 注入後は白湯や番茶を30〜50ml程度注入して、チューブ内の洗浄をします。食後の薬がある場合は、10ml程度の白湯で溶かして注入します。
9. 終了後も30分は上体を起こしたままにしておきます。(逆流・誤飲の予防)
10. 口腔内はうがいや歯磨きをして清潔にします。
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