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◆褥瘡(床ずれ)予防と注意点
 褥瘡を予防するには、2時間毎の体位変換が基本です。また、悪影響因子をひとつずつ注意しながら体圧を分散することが重要です。いろいろな予防用具にはそれぞれ長所、短所があります。体重が減らない限り体圧を分散させるためには、より多くの面積で受けるしかありません。エアーマットの空気をパンパンに入れすぎて、体が浮かびあがってしまった場合、エアーマットと体との接触面積は減り、その部位の体圧は増加します(図1)。また、極端に空気が少なくショボショボの場合、接触面積が多いように見えても、すでに仙骨が床についてしまい、底つき現象をおこしてしまっている場合(図2)は最悪です。エアーマットの場合、底つきしないよう注意してより多くの面積で、体重を受けること(図3)が基本です。円座は偏った圧力がかかるため褥瘡予防には適さないと考えられています。
エアーマットは、フワフワしすぎるため寝たきりでない普通の人では、寝心地が良いとはいえません。体力が衰えた場合には、意識障害などが加わると、短時間で褥瘡(床ずれ)は発生してしまいます。このことを忘れずに、必要であればすぐに、2時間毎の体位変換を行ったり、エアーマットを導入するなどの対応をすることが大切です。また、歩けなくてもベッド上で足腰の衰えを防ぐ運動をすることは、褥瘡予防に有効です。
実際に褥瘡は、エアーマットを使用し2時間毎の体位変換を行ない、褥瘡予防のスケジュールが行われているときよりも、通常のベッドを使用している人が突然の発熱や意識障害により、にわかに寝たきりになったさいに多く発生します。なぜならばその短時間は、まさかというエアーポケットに入っており、褥瘡発生に対する注意がそそがれず、体位変換などの対応が行われなかったからです。
                                  ・・・ドクターJ