1.糖尿病
食後、膵臓からインスリンを分泌して血糖をコントロールしています。インスリン分泌障害やインスリン作用の低下によりおこる慢性的な高血糖状態で、長期に及ぶと動脈硬化が進行し、目の網膜や腎臓や神経が侵されます。栄養のとりすぎや運動不足などの生活習慣が原因であることが多く、生活習慣病の一つです。
治療は、適正な体重を維持して、食事療法によりカロリーの摂取を制限すること、運動によりエネルギーを消費することが基本です。その他、内服薬やインスリンを注射する場合もあります。
血糖が高くなると、口渇、多飲、多尿、疲れやすくなるばかりか、意識障害をきたして昏睡状態におちいることがあります。血糖は、空腹時血糖100〜120mg/dl以下が正常で、食後でも200mg/dl以上は要注意です。このため、定期的に血糖値を調べて治療する必要があります。血糖は、食事により変動するために、直前の食事に影響されないグリコヘモグロビンA1C(赤血球に染み込んでいる糖分)を調べることが、日常生活での平常の血糖の状態を見るよい手掛かりとなります。血糖値は、内服薬やインスリン注射により、下がりすぎてしまうと低血糖となり、冷や汗が出たり、意識がなくなることもあります。このため飴玉などを用意して、低血糖状態に注意する必要があります。
 
2.糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害
糖尿病の期間が長くなると、腎臓、網膜、神経が障害されます。腎障害は、タンパク尿から始まり、進行すると腎不全になります。網膜症は、進行すると失明します。神経障害は、四肢のしびれ、下痢、便秘、インポテンツなどの原因になります。
 
3.甲状腺機能亢進症
甲状腺の機能が亢進して、甲状腺ホルモンが多くなります。甲状腺のある首のあたりが腫れあがったり、眼球が突出したり、脈が速くなったり、手が震えたり、多汗になります。
 
4.甲状腺機能低下症
甲状腺の機能が低下して、甲状腺ホルモンが少なくなります。無気力で寒がり、眠りがちで顔がむくんだりします。女性に多く、脈は遅くなります。また、記憶障害なども発生するため認知症と間違えやすい病気です。
 
5.高尿酸血症(痛風)
肉などのタンパク質を多く含む食物には、プリン体という物質が多く含まれています。プリン体は、体内で尿酸に分解されて、尿酸は腎臓から排出されます。尿酸が過剰に血液中に存在すると、足指のつけ根の関節などに結晶化して炎症をおこし、関節が腫れ、激しい痛みを生じます。これを痛風といいます。
 
6.高脂血症(高コレステロール血症)
コレステロールは細胞や胆汁、ホルモンなどの成分となる大切な物質です。これは食物から摂取したり、体内の肝臓や腸などで合成されます。その量が必要以上に多くなると、血管内にたまってしまい高脂血症となり、動脈硬化の原因となります。
コレステロールには、HDLコレステロールという血管内の余分なコレステロールを排除する善玉コレステロールと、LDLコレステロールという動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールがあります。動物性の油脂は、悪玉コレステロールを増やします。反対に植物性の油脂に含まれる不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増やす作用があります。積極的に植物性の油脂を摂取するようにします。