1.腎不全
腎臓の障害がおこり、血液中の老廃物が排泄できず、体内の尿素窒素(BUN)、クレアチニン、カリウムなどが増加します。腎臓は左右に1つずつあり、片側でもしっかり働いていると腎不全になることはありません。腎不全が高度(BUN 100mg/dl以上、クレアチニン 10mg/dl以上)になると、尿毒症となり人工透析が必要になります。また造血のシステムに腎臓が関与しているため、腎障害が高度になると貧血もおこります。薬剤も腎臓から排泄されにくくなるため、副作用が出現しやすいので注意します。
2.尿路結石
尿路にできた結石などの固形物をいいます。結石のある側の側腹部痛、背部痛がおこり、血尿や頻尿となります。結石が尿道を閉鎖すると、突然、排尿困難や尿閉をきたすこともあります。
さまざまな治療法があります。内服薬は忘れずに服用します。お茶などの水分を多くとり、排泄を促す方法も有効です。
3.膀胱炎
膀胱内部にできた炎症で、大部分が細菌性であり、尿路系の基礎疾患のない急性 のものと、慢性的になるものがあります。頻尿、排尿痛、血尿、下腹部不快感などの症状がおこります。
4.尿失禁
意思に反して尿がもれてしまう状態です。尿を出したり止めたりする機能の低下や、膀胱の尿をためる機能の低下などが原因でおこります。咳やくしゃみで急激に腹圧が上がると失禁するもの(腹圧性尿失禁)、尿意がおこると我慢できずにもれてしまうもの(切迫性尿失禁)などがあります。
 ・ 個人の自尊心に深く影響するため、精神的なフォローも大切です。
5.前立腺肥大
 ・ 比較的高齢の男性にみられます。前立腺の肥大により排尿障害がおこります。