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◆中枢神経系
 
脳は、重さ1400gほどの臓器で、1000億ほどの細胞からできています。脳は全身の運動や感覚をつかさどるだけでなく、考える・判断する・記憶するなど人類ならではの高度な機能を持っています。
神経系は、脳と脊髄の中枢神経系と、脳脊髄神経と自律神経の末梢神経系に分けられます。
脳は、大脳・中脳・小脳・脳幹に分かれています。
大脳は、前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉に分かれています。
大脳の奥深い中心部には、視床下部と呼ばれる部位があり、自律神経やホルモン分泌に関与しています。
小脳は、運動や姿勢反射の中枢であり、このため小脳が障害されると運動失調がおこります。
脳幹部には、橋・延髄と呼ばれる部位があり、呼吸・血圧・脈拍などの生命維持に不可欠な中枢があります。
ヒトには利き手があるように、脳には優位半球があります。
大脳を前後に分ける中心溝の前方には、運動の命令を発する運動領野があり、後方には感覚を受け取る感覚領野があります。これらの領野は反対側の身体を支配しており、このため、左の脳の障害では、右側の麻痺がおこります。また、見た風景は、後頭葉の視覚領野で認識しています。聞いた音は、聴覚領野で認識しています。
右利きのヒトは、左の大脳が優位半球でその言語領野には、言葉を話す領野(運動性言語領野)と言葉を理解する領野(感覚性言語領野)があります。
意思をもって手足を動かす運動を随意運動といいます。この随意運動の経路は、大脳皮質の運動領野から始まり、延髄の錐体とよばれる部位で交叉して反対側の身体を支配します。この随意的な経路を錐体路と呼びます。これ以外の経路を錐体外路と呼び、意図しない手足のふるえなどを不随意運動といい、これらの症状を錐体外路症状と呼んでいます。さらに大脳の奥には、大脳辺縁系とよばれる領域があり、感情や性欲などをつかさどっています。中でも海馬と呼ばれる部位は、記憶にかかわる部位といわれています。
脳の障害の麻痺では、麻痺した手足が突っ張った状態で、手を上げようとすると、足も同時に上がってしまう状態や、左右別々の動きができないなど、さまざまです。リハビリテーションでは、その状態にあわせて、より日常生活に有用で、安全な動作を習得する訓練を行っています。

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